反響のありました前回のブログ「息にもタイプがある」説の続きです。
前回、ベストな息(音)の形にはいくつかタイプがあって、そのうちの一つが音が減衰する形になる「放つ系」であるという仮説を紹介しました。
しかし、そうなると、いわゆる「ようかん型」の音形が推奨されることの多いロングトーンの練習において、放つ系の人たちはベストな音色で演奏できないのではないか、という疑問が湧いてきます。
私はその答えは、イエスであり、ノーであると考えています。
詳しい説明の前にまず、「ロングトーンやればやるほど下手になる人がいる」説を思いつくに至った経緯からお話します。
昨年2023年の夏だったと思います。指導している吹奏楽部の全体での基礎練習を傍らで見ていました。はじめにロングトーンによる音階の練習、その後にロングトーンによるハーモニー練習を、併せて20分程やった頃でしょうか、あることに気付きました。
「あれ、練習始めた20分前よりバンド全体の音色悪くなってない……?」
さらに音色や身体の感じをよく観察してみると、全員ではなく、2〜3割の人の音の響きが減っており見た目にも身体に不必要な力みが生じているように思われました。
そこでビビッと来ました。
「もし放つ系の人が存在して、その人たちにとって、減衰型が楽でベストな音色のする音形であるなら、通常のようかん型のロングトーンは何か無理をしないと吹けないものではないのか!?」
と。
そこから、リサーチを始めたところ、プロ・アマチュア問わず、意外と「実は、ロングトーンは嫌い(苦手)です」という人が多いことが分かりました。
ここで「意外と」と書いたのは、私自身が根っからの「保つ系」だからだと思います。
師匠には「ロングトーンは音作りの基本」と言われ、それを実感しており、また、昔からロングトーンをしているだけで「気持ちいい」と感じられる人間でしたので、ついロングトーンをやりすぎて、他のメニューの練習の時間が減ってしまったりもしていました。
そんな自分からすると、ロングトーンで無駄な力みが生じてしまう人、ロングトーンが苦手だったというプロの奏者がいることは衝撃的でした。「一体いつから、ロングトーンが万人に有効な練習だと錯覚していた?」状態です。
しかし、ここで読者の皆さまは「いやいや、何を言っているんだ、プロの奏者は皆美しいロングトーンを奏でているじゃないか」とお思いになることでしょう。
はい、その通りです。
前回のブログでも少し触れましたが、息のタイプによって、それぞれ得意不得意なパターンが存在し、その不得意なものに対してはそれぞれの解決法があるのではないか、と考えています。
次回の「ロングトーンやればやるほど下手になる人がいる」説(後編)では、放つ系におけるロングトーンの攻略法を紹介してみたいと思います。
2024年11月14日

